アメリカにボサノヴァ・ブームのきっかけをもたらしたグラミー賞受賞の傑作。名ギタリスト、チャーリー・バードが刻む軽快なビートに乗って、クールなスタン・ゲッツのテナーが存分にメロディを歌い上げる。ジャズとボサノヴァの理想的な融合を象徴したアルバム。 (C)RS

1960年代のジャズ・ボサ・ブームを象徴する、ゲッツ初のボサ・ノヴァ・アルバム。ジャズなアレンジが光る、発案者であるバードのボサらしくないギターも素晴らしい。

 ・ amazon music : Stan Getz : Jazz Samba : ジャズ・サンバ (1962)

 ・ apple music : Stan Getz : Jazz Samba : ジャズ・サンバ (1962)

 ・ Spotify : Stan Getz : Jazz Samba : ジャズ・サンバ (1962)

ボサ・ノヴァとは、1858年ごろからブラジルのリオ・デ・ジャネイロで流行した、新しいサンバのスタイルである。従来のサンバがモダン・ジャズの影響を受け、都会的な味付けがされたものだ。語源はアントニオ・カルロス・ジョビン作<1>の歌詞に登場するボサ・ノヴァ(=新しいフィーリング)という言葉に由来している。
このボサ・ノヴァは、アントニオ・カルロス・ジョビン、ルイス・ボンファ、ジョアン・ジルベルトらのブラジルのアーティストによって次々とヒット作が発表され、ブラジル内で流行していった。60年代初頭、ブラジルを訪れたポール・ウィンター、ハービー・マン、チャーリー・バードらによってアメリカに紹介されたボサ・ノヴァは、より洗礼された音楽となって、アメリカ中でブームを巻き起こすことになる。
本作は、グラミー賞を獲得した大ベストセラーアルバムであり、アメリカにおけるボサ・ノヴァブームを作りだす先駆けとなった作品であるといっても過言ではないだろう。(高山武樹)

01 Desafinado 5:50
02 Samba Dees Days 3:33
03 O Pato 2:30
04 Samba Triste 4:46
05 Samba De Uma Nota So 6:11
06 E Luxo So 3:42
07 Bahia 6:40
08 Desafinado (Single version)