ブラジル音楽の巨匠セルジオ・メンデスが、ブラック・アイド・ピーズのウィル・アイ・アムをプロデューサーに迎えたアルバム。ブラジル音楽のメロディーとヒップホップのリズムがハイブリッドに融合したサウンドが魅力。 (C)RS

NIKEブラジル代表出演CM使用曲「マシュ・ケ・ナダ」収録。

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予想はしているかもしれないが、『Timeless』はあなたの両親が慣れ親しんだセルジオ・メンデスではない。オープニングの「Mais Que Nada」を聴いてみるといい。ポスト60年代、ポスト・ボサノバ、キッチュな大ヒット作『Sergio Mendes & Brasil ’66: Greatest Hits』にも収録されていた一曲だ。そこにシンプルでなめらかなグルーヴはない。ブラック・アイド・ピーズが、この陽気な演奏に参加している。そして生まれた作品は、スタン・ゲッツのテナーサックス経由でボサノバがジャズやポップと出会った時に起こる知的な衝突と同じものだ。ただ本作では、その出会いがラウンジと、そしておそらくはストリートの間で起こっただけの話。ジョン・レジェントとインディア・アリーは、ダウンテンポのネオ・ブラジリアンのノリで、「Please Baby Don’t」とタイトルトラックでそれぞれセッションを続けている。だが、こうした曲がいったん終われば、陽気なビートが復活し、パーティのノリでアルバムは続く。しかし、不安に思うことはない。ブラック・アイド・ピーズが、無邪気なヘッドバンギングとチルアウトできるダンスのステップに自然と誘ってくれている。『Timeless』を聴けば、本作があなたの両親が慣れ親しんだセルジオ・メンデスではないとわかる。しかも、この作品を聴いたあなたの両親は、ウィリアムとブラック・アイド・ピーズの重要な役割を聞きとって、自分の子どもが慣れ親しんでいるブラック・アイド・ピーズではないと言うことだろう。

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